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空き家を放置することにより生じる問題

みらい法律事務所 弁護士桑野貴充

1 最近、「空き家」に関するトラブルが増えています。

  空き家であっても、所有者もしくはその親族などの関係者が定期的に管理していればよいのですが、誰も管理せずに放置すると、様々な問題が生じかねません。

2 例えば、子どもたちは独立して実家を離れ、実家に住んでいた両親は既に他界し、あなたの実家は誰も管理せずに放置されたままになっているとします。

  家は朽ち果てており、瓦が浮いた状態になっているところへ強風が吹いて、瓦が飛ばされて隣家の窓ガラスが割れる。あるいは、隣地との境界ブロックが朽ち果て、崩れたブロックが隣地に倒れ込む。このような場合、1次的には空き家を占有している人が隣地所有者の被った損害を賠償する義務を負い、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、占有者は損害賠償義務を負わず、空き家の所有者が損害賠償義務を負うことになります(民法717条1項)。そして、この所有者の責任は無過失責任とされています。
上記のようなケースでは、空き家の占有者はいませんので、所有者が隣地所有者に対する損害賠償義務を負うことになります。そして、この場合、空き家の所有者は、空き家の前所有者の相続人(相続人が複数の場合は共有)です。ですから、あなたを含む相続人は、隣地所有者に対し損害賠償義務を負うことになるのです。

3 上記のケースは、第三者に対する損害賠償という法的問題ですが、次のような問題もあります。

  例えば、上記のケースのように、あなたの実家が空き家として放置されていますが、誰も住む予定がないので、家を取り壊して、土地を売ってしまいたいと考えたとします。しかし、土地の名義はあなたの曾祖父のままになっています。このような場合、法的には土地は曾祖父の相続人全員の共有となりますので、土地を売るには相続人全員の同意が必要になります。しかし、3代に渡る相続の結果、曾祖父の相続人が30人を超えているかもしれません。このような場合、相続人を全て調べて連絡をとり、同意を取り付けるのは至難の業です。このケースは、他人に迷惑をかけるという話ではないのですが、空き家を放置すると、このような問題も生じかねません。

4 このように、空き家を放置すると、様々な難しい問題が生じかねません。

  自分に降りかかるリスクを防止するためにも、ご家族で空き家の管理について話し合ってみませんか?


そして、あなた自身で管理することができないのであれば、各種専門家にご相談されることをお勧めいたします。

 


立野謙介税理士事務所 立野謙介

建物付きの土地と更地の土地では、税金がこれだけ違います。

【前提条件】  
土地の評価額 2000万円 (購入時の価格は1000万円
土地の面積 200㎡
所有期間 5年超
※ 建物付きの土地の場合は、築30年の木造の家屋(評価額は1000000円)が建っているものとします。